仕事用に事務所を借りようと思ったとき、住居用の賃貸とは勝手が違うと感じることがあると思います。
事務所賃貸には、住居とは異なるルールや義務が課せられます。
事務所を借り、そこで従業員を働かせる場合、雇用主には安全配慮義務が発生するのです。
また一定の規模や条件の事務所では、防火管理者を置く必要があります。
火災は大切な財産を無くすだけでなく、多くの人の命に関わることもあります。
事務所を借りる前に、重要性をしっかり認識するようにしましょう。
雇用主が負う事務所での安全配慮義務と防火管理者の定義
<安全配慮義務とは>
安全配慮義務とは、従業員に対して会社・経営者が負う義務の1つです。
労働契約法により、従業員が安全に業務に従事できるよう配慮することが求められます。
もし安全配慮義務に違反し、従業員が怪我や命を落とすなどの損害を受けた場合は、会社や経営者が損害賠償責任を負うことになるのです。
具体的には、室温などの環境管理、災害時の避難経路などの安全の確保が求められます。
<防火管理者とは>
事務所の防火管理については「管理権原者」と「防火管理者」の2つの役職があります。
管理権原者は、防火対象物について正当な管理をおこない、火災の際には責任を負う重い役割をもつ人です。
賃貸事務所の場合は、会社の代表などがその役割を担うのが一般的になります。
防火管理者とは、防火管理業務の推進責任者を意味し、国家資格の取得が必要な役職です。
防火管理者は「防火管理にかかる消防計画」の作成と届出をしなくてはいけません。
また消火訓練・避難訓練の実施や消防用設備の点検・整備、収容人員の管理など、防火管理上必要な業務を担います。
事務所の安全を守るため防火管理者が必要になる条件
すべての事務所に防火管理者が必要なわけではありません。
集会場や飲食店、小売店、福祉施設など不特定多数の人が出入りする場合、収容人員が30人未満であれば防火管理者は不要です。
企業の事務所など特定の人しか出入りがない場合は、50人未満の場合は不要になります。
収容人員の算定方法は、事務所の場合は業種により確認が必要です。
また、仮に自分の事務所が防火管理者の選任が不要であっても、防火管理者が必要な建物内では、すべてのテナントで防火管理者の専任が必要になるので注意しましょう。
なお防火管理者には、その範囲から「甲種」と「乙種」の2種類があります。
建物全体の延べ面積や管理状況によって、必要な資格の種類が変わります。
まとめ
事務所を借りる上で、安全対策は怠ってはいけない義務です。
財産だけでなく命を落とす可能性もあるので、しっかり対策をおこないましょう。
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