新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行は拡大の一途を辿っており、感染者は世界全体で2,100万人を超え、死者数は77万人に迫っています(8月15日時点)。
国内においては5月に感染者数が減少に転じたのを受け、5月25日に緊急事態宣言が全面解除となるも、その後7月より再び増加の一途を辿るようになりました。
各企業では、職場で感染者や濃厚接触者が出ることが現実的な問題となりつつあります。
職場で感染者が出た場合、「感染した社員への対応」、「濃厚接触者への対応」、「職場の消毒」、「感染者の職場復帰」などの対応が必要となります。
従業員が感染した場合、保健所との連携が必要となります。スムーズな連携のため、職場としては感染者がいる部署の「座席表」、職場内の「接触者記録」を用意しておきましょう。
接触者記録では、感染者の発症2日前からの会議・ランチ・会食などを共にした方を確認しておくことが重要です。
なお、感染者本人は医療機関等の指示により、入院治療、もしくは宿泊施設か自宅での療養を行うことになります。
従業員が濃厚接触者と判断された場合は、保健所の指示に従い感染防止の措置を講じることが重要です。
具体的には潜伏期に相当する14日間は対人接触を避け、自宅待機・在宅勤務等を求めるようにしましょう。
なお、濃厚接触者には全例PCR検査が行われますが、たとえ結果が陰性であっても14日間の自宅待機等は必要となります。
PCR検査が陰性であっても、それは感染していないことを証明するものではないことに十分注意しましょう。
感染者が発生した職場の消毒ですが、保健所からの指示があればその指示に従いましょう。
保健所からの指示がない場合は、最低1時間以上の換気を行った上で、感染者の執務エリア(感染者の席から半径2m程度の範囲を、アルコール消毒液(60%~95%)もしくは次亜塩素酸ナトリウム(0.05%)を用いて拭き取ります。
また、トイレ、喫煙室、休憩室や食堂などの使用があった場合は該当エリアの消毒も追加実施します。
なお、消毒担当者自身の感染防護のため、手袋・マスクを着用の上で行うようにしてください。
感染者の職場復帰の目安ですが、発症から10日が経過していること、および症状消失から3日が経過していることの2つを満たすことが重要です。
また、復職後も1週間程度は、毎日の健康観察、マスクの着用、対人距離を2m以上保つことを徹底し、体調不良時には出社を控えるようにしましょう。
<参考文献>
日本産業衛生学会. 職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド第3版.