契約した貸事務所・賃貸オフィスが競売にかけられて売却され、急な退去を余儀なくされてしまった場合。
資金繰りや仕事のスケジュールに悪影響が出ないよう、このような事態で適用される制度を知っておくと安心です。
ここではかつて入居者にとっての救済措置だった短期賃貸借制度の概要や、現在の状況についてご紹介します。
貸事務所・賃貸オフィスが安心して借りられた?かつて存在した短期賃貸借制度とは
家主の資金繰りの悪化により、入居している抵当権付きの物件が差し置さえられて売却された場合でも、入居者は短期間に限ってそのまま入居を続けられる制度として「短期賃貸借制度」というものがありました。
家主の資金繰りの悪化や、それにともなった物件の差し押さえと売却は往々にしてあることですが、いずれも入居者には関与しようがない問題です。
にもかかわらず、物件が売却されたからとただちに退去させられるのは入居者の不利益が大きすぎます。
そこで建物なら3年を超えない範囲に限って、入居者側の利益が優先されました。
つまりは3年に限って入居していた物件をそのまま使用できたため、転居先をただちに探しまわる必要がなくなり、資金繰りや仕事への影響をできる限り小さくできたのです。
個人の住居を借りる際にはもちろんのこと、仕事のためのオフィスを借りる際にも役立つセーフティネットとなっていたのですが、現在は廃止されており、別の制度に置き換わっています。
短期賃貸借制度は現在廃止済み!貸事務所・賃貸オフィスを今借りるのはリスク?
平成16年4月1日に「建物明渡猶予制度」が創設されたのを機に廃止されました。
予期せぬ事態から入居者を守るための制度でしたが、虚偽の契約内容を主張して敷金の返還を不当に請求したり、明け渡しに際して高額な立ち退き料を請求したりと、制度の趣旨から外れた使用が散見されたためです。
短期賃貸借制度の廃止については、現在新たに賃貸物件を契約する際に重要事項説明として伝えられる場合が多いですから、しっかりと確認しておきましょう。
なお、新たに創設された建物明渡猶予制度により、入居中の物件が売却されて立ち退かなければならない際には、6か月間の猶予期間が設けられます。
つまり半年はその物件を引き続き使用できますから、ごく短期間のうちに転居先を見つけて退去する必要はない点に変わりありません。
貸事務所・賃貸オフィスとして借りた物件が売却されて退去せざるを得なくなっても、その不利益が小さくなるよう、同じように配慮されています。
廃止前に比べてリスクが著しく高いといったことはありません。
まとめ
賃貸物件は家主側の都合で使用不能になり得ることや、その際に入居者がすべき対応を理解しておけば、より安心して物件を使用できます。
賃貸物件を安心してオフィスにできるよう、関連制度はしっかりと確かめておくとよいでしょう。
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