5月31日は世界禁煙デーです。日本でも5月31日~6月6日が禁煙週間とされています。この機に、たばこの害について再確認し、ぜひ企業内でも禁煙について考えてみましょう。
たばこの害については、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクの一つにも数えられていますが、今回は少し長期的な健康影響について考えてみたいと思います。
たばこには、4000種類以上の化学物質が含まれ、60種類には明らかな発がん性が確認されています。
このため、喫煙により肺がんをはじめとする多くのがんを引き起こすことが明らかになっています。
また、たばこの有害物質は肺から急速に血液中に移行し全身に広がっていくため、呼吸器疾患だけにとどまらず脳卒中、心筋梗塞、慢性気管支炎、歯周病、胃潰瘍、肌の老化までもが喫煙による影響を受ける喫煙関連疾患であることがわかっています。
では、もう少し具体的な数値でたばこの害を見ていきましょう。
下の図は生活習慣病による日本人の死因を多い順から並べたものです。
喫煙が圧倒的なトップで、年間128,900人もの死因に関連していることが分かります。特に死因のトップ2を占める喫煙と高血圧については、ぜひとも改善したいところです。
喫煙はその人の行動(禁煙)によって、その日から改善できる生活習慣と言えます。
禁煙したその日から健康上のメリットが得られますので、愛煙家のみなさまはぜひこの機会に禁煙について考えてみましょう。
また、企業においても従業員の健康の保持増進のために、世界禁煙デーには禁煙について従業員に考えてもらう取り組みを検討しましょう。
出典:大和浩.産業医に必要な改正健康増進法の完全施行後の喫煙対策と加熱式タバコの最新情報. 第103回山口県医学会総会