コロナ禍において、経営・職場環境や日常生活が従来と大きく変化し、働く人々のストレスが増大してきている懸念があります。中には深刻な悩みを抱えている方もいることでしょう。このような状況下においては、ゲートキーパーの役割が極めて重要になってきます。
ゲートキーパーとは、「悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聴いて、必要な支援につなげ、見守る人」のことで、特別な資格も要らず、誰でもなることができます。
コロナ禍において、日本では自殺者数がコロナ前に比べて増加傾向にあります。悩んでいる人に寄り添い、孤立を防いで支援することが自殺対策で重要とされており、身近なゲートキーパーの存在が欠かせないものとなってきております。
眠れない、食欲がない、口数が少なくなった等、仲間の様子がいつもと違う場合、大きな悩みを抱えているかもしれません。
仲間の変化に気づいたら、ぜひ声をかけてみてください。声かけの例として、「眠れてますか?」、「どうしたの?なんだか辛そうだけど」、「何か悩んでる?よかったら、話して」などがあげられます。
相手の話を聴く際は、本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける姿勢が大切です。心配していることを伝え、悩みを真剣な態度で受け止めましょう。くれぐれも、相手を責めたり、安易に励ましたり、相手の考えを否定することは避けましょう。
相手の話を傾聴した後は、早めに専門家に相談するよう促す(つなぐ)ことが必要です。だれでも活用できる相談先として、「いのちの電話」、「精神保健福祉センター」などがあります。
紹介にあたっては、相談者に丁寧に情報提供をしましょう。相談先(専門家)につながった後も、必要があれば相談に乗ることを本人に伝え、温かく寄り添いながらじっくりと見守る姿勢が大切です。
今回はゲートキーパーの役割を中心にお話させて頂きました。周りで悩んでいる仲間がいれば、ぜひ声をかけてみてください。
また、ゲートキーパーのことをもっと学んでみたい方は参考文献の他、厚生労働省のサイト(動画)にもぜひアクセスしてみてください。
<参考文献>
厚生労働省. 誰でもゲートキーパー手帳