翌日に残らない飲み方について
OHサポート株式会社
代表 今井 鉄平 (産業医)
2022年4月1日に道路交通法が改正され、5台以上の自動車を使用する事業所の運転者に対して、酒気帯びの有無を確認するアルコールチェックが義務化されました。今回は翌日に残らない飲み方について考えてみましょう。
アルコールの代謝スピードには個人差がありますが、一般に体重60~70kgの人でビール中ビン1本500ml分のアルコールを処理するのに約3時間かかるといわれています。
アルコール量が増えるに従い、処理時間はさらに増えていくことになります。このため、前日に遅くまで深酒をしてしまうと、翌朝までお酒が体に残ってしまい、通勤時は飲酒運転になってしまっているということもあるかもしれません。
それでは、どのくらいの量であれば翌日に残らないのでしょうか?まずは以下の計算式で、ご自身の普段の処理時間を把握しましょう。
STEP1.自分の飲んだお酒の純アルコール量を計算
※飲酒量(ml)× アルコール度数(%)× アルコール比重0.8=純アルコール量
STEP2.自分の飲んだアルコール量が消失するまでの時間を計算
※摂取した純アルコール量【 g】÷ 7g(1時間当たりのアルコール分解量)
=消失時間【約 時間】
例)ビール500mlを飲酒した場合、
STEP1:500 × 0.05 × 0.8 = 20g(純アルコール量)
STEP2:20g ÷ 7g = 2.9 時間(消失時間)
いかがでしたでしょうか?ビール中ビン1本(500ml)だと3時間で分解できますが、中ビン3本(1500ml)だと3倍の約9時間も処理にかかることになります。深夜まで飲酒してしまうと、確実に翌日にお酒が残ってしまうことになるでしょう。
この計算式を目安に、「どのくらいの量を、何時まで」飲酒するのか、翌日に残さないための飲み方をこころがけましょう。